2018/10/19

高校生の頃
母親が一匹の子猫を連れて帰ってきました。
オスの三毛猫
母「オスの三毛猫は珍しいんだよ。」
私「ふ~ん。どうしたの?」
母「猫ばあさんにもらってきた」
可愛い猫でした。
後で聞いた話では、
”なめ猫”のモデルにスカウトされたとか。
大きくなると、しっぽをピンと垂直に立てて
股間のタマタマを振るわせながら見せびらかすように歩いていました。
まるで「俺は男だ!」と言っているよう・・・
ある日イカの燻製を食べていると、
”猫にスルメを食べさせると腰を抜かす”
ことは聞き及んでおりましたが、燻製ならいいかなと。
1つやってみると、フニャフニャフニャ~と大喜び!
3つ4つ続けて食べました。
満足したようで、立ち上がろうとするも
後ろ足がベターとなって動けない。
ほんとに腰抜かすんだあ~~
20分くらいで回復。
ホッとしました。
40年前の話ですから、虐待などと責めないでくださいね。
オス猫は成長すると、外に冒険に出かけるのです。
半年もすると、大左衛門も毎日出かけていくようになりました。
時には喧嘩したのか、けがをして帰ってきました。
大左衛門がうちに来てからちょうど1年たった頃のことです。
母親が旅行に出かけました。
毎日出かけていた大左衛門がずっと家にいるので不思議に思っていました。
そんなある日
居間に入ると、床に大左衛門が座り、
彼が見上げている先には、猫が出入りするための窓があり、
そこに野良猫が一匹、大左衛門を見下ろしています。
二匹は会話を交わしていたのです。
片方が喋ると、もう一方はジっと聞いています。
しゃべり終わると、こんどは聞いていた方が喋りだします。
その間約20分、二匹の会話は粛々と進んでいました。
最後、互いに「ニャア」と挨拶すると、野良猫は蹴っていきました。
猫も会話するんだ!!
”朝まで生テレビ”なんかを見ていると、
誰か喋ってる途中から割って入って、話の腰をおるやつ。
そこにさらに割って入る3人目。
互いに怒鳴りあいになり、なに言ってんだか分からない。なんて状況よくありますよね。
それに比べると猫の会話のなんと行儀のよいこと。
今なら動画にとってsnsにUPするところですが、
なんせ40年前ですから。勘弁してください。
その後大左衛門は居間でじっと、母の帰りを待っていました。
三日三晩待ち続け、母が帰ってくると、
居住まいを正し一言「ニャア」と挨拶して、窓から出ていきました。
大左衛門は旅だったのです。
あの時、野良猫は迎えに来たのでしょう。
たまたま母が不在のため、大左衛門は友人に、
もう少し待ってくれ、と言っていたんじゃないでしょうか?
会話をし、
別れの挨拶。
猫はなんと賢く、義理堅く、礼儀正しい動物なのでしょうか??